3月議会定例会議最終日に「指定管理者の指定宿泊施設利用助成券の不正利用について」行政報告があった。報告では返還額の確定や不正利用の経緯の他、指定管理者の適正な管理体制について検討していく考えが示された。そこで以下の点について町の見解を伺う。
- 新嵐山スカイパークは、平成14年度に町が100%出資した「めむろ新嵐山株式会社」に運営委託し、平成18年度からは公募によらない選定を行い指定管理者制度に移行している。しかし経営形態は依然として課題であり、平成21年度には新嵐山スカイパークあり方検討会議から提言を受けるなど指摘を受けてきた。指定宿泊施設利用助成券の不正利用は芽室町国民宿舎の収益向上が背景にあるが、公募によらない指定管理者の選定を続けてきたことをどのように検証されたのか。
- 指定管理者が町長等の指示に従わないなど当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、指定の取り消し、または期間を定めて管理業務の全部又は一部停止の命令ができる(地方自治法第244条の2第11)が、町としてはどう対応するのか。
- 今後の計画では令和2年度は新嵐山スカイパークの指定管理者を公募し、令和3年度から新しい指定管理期間がスタートする予定が組まれている。今回の不正事件が指定管理者の公募に与える影響についてどのように考えるのか。
- 提出日
令和2年4月3日
- 質問者
正村 紀美子 議員
まず、1点目の「公募によらない指定管理者の選定を続けてきたことへの検証について」であります。
町では、新嵐山スカイパークに設置している国民宿舎、スキー場、公園施設などを一括りとし、国民宿舎等として平成18年度から指定管理者制度により運営しております。
指定管理者の選定方法については、国民宿舎をはじめとした複合的な施設運営をしなければならないことやスキー場の安全対策の確保など、特殊要素も強いことから、芽室町の公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例第5条第1号に規定する「当該施設の性格、規模及び機能により、公募することが適さないと認められるとき」を適用し、選定してきているところであります。
しかし、ご質問のとおり、平成21年度に新嵐山スカイパークあり方検討会議から、地元経済への影響等を踏まえ、現在の指定管理者から町内民間企業などへの移行が望ましいとの提言をいただいておりますが、これまで町内民間企業などから公募に対する問い合わせなどの意思表示や情報もないことから、公募によらない指定管理者の選定を続けてきたところであります。
なお、今回の指定宿泊施設利用助成券の不正利用が、公募によらない指定管理者の選定を続けてきたことが要因であるとは考えておりません。
今後については、サウンディング型市場調査の実施結果を踏まえ、他の民間事業者による事業実施の可能性についても確認したことから、より多くの事業者に参画頂く公募方式にする考えであります。
次に、2点目の「指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるとき、町はどう対応するか」であります。
今回の指定宿泊施設利用助成券の不正利用について、令和2年3月23日付けでめむろ新嵐山株式会社から不正使用額や不正発覚までの経緯などに関する報告書の提出を受け、その内容を調査した結果、芽室町国民宿舎等の設置及び管理運営に関する条例第5条に規定する「利用料金の収受に付随する業務」において、社会通念上不適当と判断し、再発防止に向けた取り組みを徹底するよう令和2年4月2日付けで委託者である芽室町から文書による指示を行ったところであり、その中で今後指示した業務改善が行われない場合は、管理業務の全部又は一部について停止を命じる場合がある旨も併せて指示したところであります。
次に、3点目の「指定管理者の公募に与える影響について」であります。
めむろ新嵐山株式会社は、町が全額出資する第3セクターの会社であり、今回の不正利用により町や町民が求める信頼や印象の低下は否めないと考えています。
令和3年度からの指定管理者選定については、1点目でお答えしたとおり、昨年度策定した新嵐山活用計画「リュラル イン ザ・スカイパーク」のビジョンに示す「この町にしかない地域価値が体感できる農村地帯の宿」を目指し、新嵐山の再生に向けた取り組みを全面に示しながら、多くの事業者に呼び掛けていきたいと考えています。
したがって、現在の指定管理者が応募してきた場合、どのような業務改善がなされたかをヒアリングしながら選定事務を取り進めていく考えであります。
- 答弁日
令和2年4月16日
- 答弁者
町長